Lの字

先生から「言葉では教えないので、技は盗んで覚えなさい。」と、一番最初に言われました。

爾来、先生の一挙手一投足を目で追うことが習慣になりました。
あまりにしつこいので、「見てばかりいたって、うまくならない。稽古しなさい!」とどなられました。

それでも、先生がほかの人に指導している様子が鏡に反射している時は、悟られないように(先生はお気づきだったと確信していますが)、鏡からこっそり覗いたり。。。
少なくとも、先生の声には常に耳をそばだてていました。聞き逃しては損です

先生が実際に動きを見せてくださるときは、千載一遇のチャンスです!まばたきもしないで、先生の体全体の動きを見て、どんな小さな点も見逃さないように、必死でした。
先生が動きを見せてくださる大事なときに、習う人が、自分も一緒に動きながらちらちら先生の動きを見ている場合があります。なんともったいないことをするのか!先生のその動きを次に見せていただけるのは、何年後になるのか、次があるのかもわからないのに。。。

30年以上いつも先生といると、さすがの先生も、思わずちらっと極意を口に出されることが時々あります。Lの字がその一つです。「八」の字のように、後ろの足先が後ろを向いていては、次の動作に移る前に、これを修正してから動かなければならないので、一呼吸遅れます。

足さばきは、組足など一部を除き、どの場面を切り取ってもLの字になっていなければなりません。内ももに力を入れて、前の足の膝が必ず前を向くように動かなければ、効率よい動きはできません。さらに、膝は伸びきってまっすぐにならないように、常にやわらかくしなければなりません。

どうやって動きの中でいつも完璧なLの字を作るかは、先生から口では教えていただけませんでした。私の稽古場に来られたらコツをお教えします

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